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「兄さん、いる?」
ノックもそこそこに部屋に入ってきたのはリアノンだった。
「あぁ、しかしお前はもう少し静かに入ってはこ…」
いつものように説教しようと振り返る。そこには…
「ティア・・・」
少し癖のある黒髪の少女が、彼女の側に立っていた。
名前はフェリスティア。母親が急病だとアクエリオで知らせが来て、故郷のエルフへイムに帰っていた許婚だ。
「ただいま…戻りました」
俯いて真っ赤になりながらそういう彼女に、俺は微笑む。
「お帰り。道中は何もなかったかい?」
そう言って彼女を包み込むと、そっとその黒髪をなでた。
はい、ご心配かけました。と小声で答える彼女はそっと俺を抱きしめた…
その後ろでコホンッと咳払い…苦笑しながら見ていたリアノンだ。
「仲がいいのは昔から知ってますけどね。私が帰ってからにしてもらえるかしら?」
まったく、どこでもラヴラヴなんだから。と呆れ顔…
すまない。と、微笑みながらそういうと、いつものことじゃない。と笑顔で部屋を出た。
きっと…俺の中で一番古い記憶だろう。
物心つく前の記憶なのか、潜在意識の中のものなのかもよくわからないが…
見上げると、そこにはぼんやりとした女性の笑顔。
耳が短いから、たぶん人間の女性…髪は青色。
『アラン君はお父さんにそっくりねぇ』
そう言いながら、赤ん坊の俺をあやす。
快晴の空を思わすような、その髪の色に俺はそっと手を伸ばす。
母の髪色ではない…でも何故だろう。凄く落ち着いていた。
それを握ろうとすると、くすくすと笑いながら俺を抱き上げる母の声…
『……様の髪を引っ張ってはだめですの、アラン』
母はその女性の名前を言ったが、なぜか聞き取れなかった。
(母上…その人は誰?)
その女性が誰だったのか…
それを知ったのは、少年の頃だった。
父の書斎で見かけた一枚の肖像画…5人の集合画だ。
父と母、ツインテールの銀色の髪の乙女と黒髪の少年。
そして、俺の記憶の中にあるロングヘアの青髪の女性…
その女性はウィンディ=レインといって、父の冒険者時代のチームリーダーで盟友だったそうだ。
「最初で最後の、人間女性の盟友だな…」
父は絵を見上げる幼い俺によく、そう話してくれた。
父の最初で最後の女性の盟友…しかも人間の…
俺はいつからかこの女性に憧れを持つようになっていた。
きっといつかまた会えるかもしれないな。と父は微笑んでそっと頭を撫でてくれた。
それから時は流れ、俺はその女性と時を超えた対面をすることとなる。
時を超えた対面…それは、『彼女の血』を受け継いだ青年との対面だった・・・
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なお、ここで使われているイラストは、株式会社トミーウォーカーの運営する『エンドブレイカー!』の世界観を元に、株式会社トミーウォーカーによって作成されたものです。
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